implantインプラント

インプラント治療の難しいケースとは?インプラント専門医が診るべきケース

インプラント治療とは what's implant

インプラント治療は欠損した歯を人工歯根により回復することで、歯を失った患者様に大きな福音をもたらしています。 かつては特殊な歯科治療と考えられていましたが、今では多くの歯科医院で治療を受けることが可能になりました。 近代的なインプラント治療は1980年代に開始されましたが、その後も技術的な進歩が進み機能面や審美面の向上、治療期間の短縮、 より安全性の高い治療手法が確立してきています。

しかし、すべての患者さんに簡単に治療できるわけではありません。
インプラント治療を行いやすいケース、治療が難しいケースは患者さんのお口の中の状態によって様々です。

インプラント治療は外科処置が必要ですし、費用も決して安いものではありません。
患者さんが治療を受ける決意をされるのには高いハードルがあるでしょう。 ですが、適切な治療を行えばこれほど長期間にわたって機能を維持し、良い結果を生む治療法は他にないものです。 私たちは多くの患者さんが適切な治療を受けられ、生活の質を高く向上されることを切に望んでいます。

ここでは当院のインプラント専門医より、インプラント治療が難しいケースについてご説明していきます。

歯科医師金井亨

公益社団法人日本口腔インプラント学会専門医
東京医科歯科大学歯学部附属病院インプラント外来 診療非常勤講師
神奈川歯科大学附属病院口腔インプラントセンター 臨床講師
Dentsply社 XiVEインプラント公認インストラクター

I. 前歯部のインプラント治療と骨造成術のはなし

インプラント治療が難しいケースというのは、どういった場合ですか?

歯を抜くと歯根を失うだけでなく、その周りの骨や歯肉も少なくなってしまいます。
インプラントは失った歯根の替わりとなるものですが、減ってしまった骨や歯肉は他の方法で回復させる必要があります。 こういった場合は、複合的な処置が必要になりますので、治療としての難易度高くなると言えます。

あごの骨や歯茎が減ってしまうのですか?

たとえば前歯を抜歯することになった症例ですが (図1) 、歯を失っただけでなく、歯肉のふくらみがなくなっているように見えると思います。

抜歯後の歯肉の状態

図1 抜歯後の歯肉の状態

となりの歯茎とくらべるとだいぶ凹んでしまっていますね。

これは、歯を支えている支持組織である歯槽骨や歯肉が一緒に失われてしまったためです。
CTによるX線撮影によって歯肉の下にある骨の状態をみると、骨の厚みは歯を抜くことで半分くらいに減ってしまいます。 (図2)

抜歯後の歯槽骨の状態

図2 抜歯後の歯槽骨の状態 (左:抜歯後)(右:反対側同名歯の健康な状態)

くちびる側の外側の骨がなくなってしまうんですね。

歯根と線維で繋がっている骨が唇側に多いため、歯を抜くことで吸収してしまいます。
特に前歯部はもともと骨が薄いので、吸収が顕著に認められます。

インプラントは骨の中に埋めるんですよね。骨の厚みが足りない時はどうするんですか?

はい。インプラントを支えるためには、十分な量の骨が必要になります。 そのために、骨を増やす治療を行います。 この患者さんの場合は、インプラント埋入手術と一緒に、骨移植を行っています。(図3)

インプラント埋入手術(骨造成)

図3 インプラント埋入手術(骨造成)

骨移植ですか?なんかちょっと怖い感じがしますね。

骨移植に患者さん自身の骨を使う場合は、「下顎枝」といわれる部分から骨を採取します。 下あごの親知らずが生えている辺りのあごの骨を、お口の中から少し削ります。 ですので、患者さんの感覚としては、親知らずの抜歯に近いと思います。

また人工的に作られた「骨補填材といわれる、骨の替わりになる材料も使います。 たくさんの骨を採取する必要がありませんので、患者さんへの負担は少なくなりますね。

人工的な材料でも骨はちゃんと増えるのですか?

いくつか種類はあります。数年間かけて自分の骨に置き換わるような材料もあります。 患者さんの身体的な負担も少なくできますし、安全性も高く、骨を増やす効果も高いです。 ただ、もともと歯周病の治療用だったり、整形外科領域のお薬を適応外使用する場合が多いと思いますので、 使用に際してはよく説明をうけて頂くようにしてください。

これはインプラント治療後ですね。(図4) となりの歯とほとんど見分けがつかないですね。 凹んでいた歯茎もふくらんでいます。

前歯部では、審美性、いわゆる見た目の回復も重要な要素です。 歯の形だけでなく、 歯の生え際の歯肉の形や、歯茎のふくらみも回復しなければならないので、治療としては複雑になります。 今回はインプラント埋入手術以外に、
骨移植歯周形成外科手術を複合的に組み合わせています。

最終補綴物装着

図4 最終補綴物装着

前歯のインプラント治療は歯の部分だけを作るのではなく、歯茎や骨を回復させる治療も必要になるために難しいといわれているのですね。

II. 上顎臼歯部インプラント治療と上顎洞底挙上術のはなし

前歯のインプラント治療以外で難しい場所はどこがありますか?

私は他の医院の先生の依頼を受けて出張手術を行っていますが、 依頼の中で最も多い手術は「上顎洞底挙上術」です。 これは、上あごの奥歯部分にインプラントをするための骨を増やす手術になります。

上顎洞(じょうがくどう)とはどういうものですか?

鼻の中には鼻腔という空間があります。その空間と繋がるように、 副鼻腔(ふくびくう)とよばれるいくつかの空洞がヒトの頭部には存在します。 上顎洞は、その副鼻腔の一つですね。

歯科でよく撮影するX線写真(図5)上では、点線で囲まれた領域が上顎洞になります。 上あごの奥歯の歯根の先端から、眼の下辺りまで広がっている空洞です。

上顎洞の位置とインプラント(X線撮影像)

図5 上顎洞の位置とインプラント(X線撮影像)

上あごは広い空洞になっているんですね。その分、骨が少ないということですか。

はい。奥歯を抜歯した場合、骨の厚みが足らなくなるケースが多いです。 これは(図5)上顎洞の真下まで、ぴったりの長さのインプラントを埋めたケースです。 点線部分(上顎洞底)の上方には骨がありませんから、そこを超えてインプラントは入れられません。

なるほど。もしもう少し骨が少なかったら、インプラントが入れられないですね。 その場合は、どのようにするのですか?

次の患者さんは、左上の奥歯にインプラント治療を計画しています。(図6) 手術前 (図6上段)のX線写真を見てください。 インプラントを入れたい部分の骨の厚みはわずか1〜2mm程度しかありません。 そのため、インプラント埋入手術前に上顎洞底挙上術、 いわゆる「サイナスリフト」という骨を作る処置を行いました。 白く写っているところが、人工的な骨補填材で造成した部分になります。 (図6下段) この後、約6ヶ月程度で新しい骨ができ、インプラントを支えられるようになります。

サイナスリフト術前術後比較

図6 サイナスリフト術前術後比較

確かにサイナスリフト後は、インプラントが空洞に飛び出ないような厚みの骨になっていますね。 どこから骨になる材料を入れるのですか?

上顎洞は鼻腔のとなりにありますが、お口の中から手術をします。 インプラントをするあごの骨の一部に穴を開け、そこから骨補填材を入れていきます。(図7右上)

上顎洞の内側には非常に薄い粘膜が覆っています。それを小さく開けた穴から丁寧にはがしていき、 粘膜と骨の間に骨移植材料を入れていくのですが、繊細な手技になりますので少し技術が必要です。 大きく穴をあければ処置はしやすいのですが、私の場合は5mm径くらいの小さい穴で行います。 この方が手術侵襲が少ない分、術後の腫れも少なく患者さんも楽なようです。

この患者さんの場合は、骨の厚みが5mm程度ありましたので、サイナスリフトと同時にインプラント埋入手術も行いました。 (図7)

サイナスリフトとインプラント同時埋入手術

図7 サイナスリフトとインプラント同時埋入手術

サイナスリフトとインプラント埋入手術を同時にする場合としない場合は、どうやって分けていますか?

残っている骨の厚みで決めています。(表1)3mm以上の骨が残っていれば同時にインプラント埋入が 可能な場合があります。骨造成とインプラント埋入を一緒に行うほうが、治療の期間の短縮にもなりますし、手術回数も減らせます。 しかしながら骨のない部分に、1から骨を作る治療ですから、治療期間の短縮よりも、インプラント治療の確実性を重視して、慎重に判断して行う必要があります。

残存骨量 術式 同時埋入 インプラント治癒期間
<3mm サイナスリフトのみ × 10〜12ヶ月
3〜7mm サイナスリフト併用 6〜12ヶ月
7〜10mm ソケットリフト併用 4〜6ヶ月
10mm< 通常埋入 3〜4ヶ月

表1 残存骨量と術式選択

骨が7mm以上ある場合には、ソケットリフトと呼ばれる方法で骨を増やすこともできます。 こちらの方がサイナスリフトと比べて比較的シンプルな処置になります。(図8)

ソケットリフトによる上顎洞底挙上術

図8 ソケットリフトによる上顎洞底挙上術

この手術が行えない場合もあるのでしょうか、それはどのような場合ですか?

副鼻腔への治療ですので、もともとお鼻に病気がある患者さんは、手術ができないこともあります。 具体的には副鼻腔炎(蓄膿症)など、上顎洞に細菌感染のリスクが高い場合です。 また花粉症アレルギー鼻炎のある場合は、 症状が落ち着いてから行うことになります。 喫煙も術後の細菌感染の大きなリスクになりますので、少なくとも手術前後はしばらく禁煙が必要です。 判断が難しい場合には耳鼻咽喉科の先生とご相談して決めます。

III. インプラントの傾斜埋入のはなし

もし上顎洞底挙上術が出来なければ、インプラントは諦めるしかないですか?

その場合は、別の方法を行います。この患者さん(図9)は、上顎洞内に炎症があり 上顎洞底挙上術ができないと大学病院で診断されていました。 そこで上顎洞を避けるようにインプラントを傾斜させて骨の中に入れました。 こうすることで、上顎洞を触らずにインプラント治療することができました。

インプラント傾斜埋入による症例

図9 インプラント傾斜埋入による症例

骨量の少ない上顎臼歯部欠損のケース。

上顎洞内に炎症性の粘膜肥厚が認められ、サイナスリフトによる偶発症(上顎洞炎)の発症リスクが高いと考えられた。そのため上顎洞を避け、 既存骨内にインプラントを傾斜して埋入することで、上顎臼歯部欠損の補綴を行った。

インプラントを斜めに入れて、歯(上部構造)はつけられるのですか?

インプラントの種類にもよりますが、30°くらいの角度であれば、アバットメントと言われる パーツで角度補正ができます。そのため上部構造と言われる歯冠の部分は問題なく作ることができます。

インプラントにご興味のある患者さんであれば、名前だけはお聞きになったことがあるかもしれませんが All-on-4®(オールオンフォー)と言われる治療コンセプトも、インプラントを傾斜させて配置します。 全ての歯を失った場合ですが、サイナスリフトをせずに、上あご臼歯部を含め、歯を作ることができます。 (図10)骨移植をしないことと、バランスよくインプラントを配置することで、手術と同日に仮歯を装着できるのもこの治療の大きなメリットです。

インプラント傾斜埋入による症例

図10 インプラント傾斜埋入による症例

色々な方法があるのですね。上顎洞底挙上術やインプラントの傾斜埋入など、どの歯科医院でも受けることができるのですか?

治療の難易度からすれば比較的難しい処置になると思います。また副鼻腔に対する知識と経験も必要です。 ですので、こういったインプラント治療は、インプラント専門医やインプラント治療の経験豊富な先生が行うべきだと考えます。

インプラントの傾斜埋入は、最近はコンピューターガイデッドサージェリーという方法によって、 技術的にはある程度簡便になってきています。しかしながら十分な診査と適切な治療計画が特に重要ですから、やはり インプラント治療に精通した先生がバックアップしている医院を選ぶべきだと思います。

IV. インプラントの不具合(1) 技術的合併症のはなし

インプラントが将来的に不具合を起こすとしたら、どんなことが考えられますか?

インプラント治療が一旦終了した後に起こる不具合としては、大きく二つに分けられます。 一つはインプラントやその上に装着した歯冠に起こる機械的な破損。 もう一つは、インプラントを支えている骨や粘膜など身体に起こる炎症です。(表2)

技術的合併症 インプラント(アバットメント)のスクリューのゆるみ
インプラント体または上部構造(歯冠部)の破折
生物学的合併症 インプラント周囲疾患(インプラントの歯周病)

表2 インプラントに起こりうる不具合

機械的な破損というと、具体的にはどんなことですか?

セラミッククラウンが欠けてしまったり、歯冠部を固定しているネジが緩んでしまうくことがあります。 お口の中は、常に湿っていて湿度も高く、食べ物や飲み物による温度変化(4〜60℃)も大きいです。 かつ自分の体重くらいの力がかかるという、材料にとってはとても過酷な環境下に晒されています。 ですので、時には材料が破損する場合もあります。

なるほど。口の中は想像以上に大変な環境なんですね。

くいしばり歯ぎしりのような癖がある場合は、特に注意が必要です。 想定している以上にインプラントに負荷がかかり、インプラントそのものが折れてしまうことがあります。

治療した部分を長持ちさせるためには、どうしたらいいのですか?

残念ながら、一生涯という長い期間を維持できる治療はなかなか実現できません。 ヒトの長い寿命を全うできるのは、それだけ人間の体という生体組織が巧妙に出来ているためです。 生体組織は環境に応じて常に変化し順応しますが、歯科材料で治療した部分は変化できません。

つまりお口の中の状態は、時間とともに変化します。 それは虫歯や歯周病がない健康な状態だったとしても歯並びが少しずれてきたり、歯がすり減ったりして、噛み合わせも変化します。 小さい変化ですが、そのまま放置すると治療した部分に負担がかかってくる可能性があります。 治療した部分は自然には変化に対応できないからです。

そこで生涯にわたって安定した口腔環境を維持するためには、定期的なメインテナンスを行い 最小限の範囲で修正や追加治療を行っていくことが理想です。 将来の再治療が行いやすいように考慮した治療が大切だと思います。

V. インプラントの不具合(2) 生物学的合併症のはなし

もう一つの不具合にある、インプラント周囲疾患というものは、どういう病気なのですか?

インプラントの歯周病と考えてください。インプラントは“歯”ではないので、 “歯”周病ではなくインプラント周囲疾患と呼ばれます。 粘膜(歯肉)の炎症をおこす、「インプラント周囲粘膜炎」(=歯肉炎に相当)と周囲の粘膜(歯肉)や骨組織に破壊 を伴って炎症が及んでいく「インプラント周囲炎」(=歯周炎に相当)に分類されます。

インプラントでも自分の歯でも、支えになっている骨に病気が起こるのは一緒なんですね。 原因はなんでしょうか?

歯周病と同様に、細菌感染異常な咬合力によって引き起こされると考えられています。 もともと重度な歯周病に罹患していた場合、発症率が高いとの報告もあります。 インプラント治療前であれば、徹底した歯周病治療が重要です。 また喫煙や治療を受けていない糖尿病では、 増悪することもありますので、禁煙外来や内科の先生の診察をお勧めします。

治療はどのように行うのですか?

治療は歯周病治療に準じて行われますが、天然歯とインプラントの構造の違いから、 インプラントでは炎症の進行が早いため、進行したインプラント周囲炎の治療は難しいケースが多いです。 ですから、早期に発見して、初期の段階での治療をするのが最も効果的です。 インプラント周囲疾患が進行してしまった場合、病変進行に伴い、外科的処置を行い改善を試みます。 (図11)残念ながら極端に病変が拡大してしまったものはインプラントを抜去することもあります。

インプラント周囲疾患(Peri-implant disease)

図11 インプラント周囲疾患(Peri-implant disease)

せっかく治療をしても、またインプラントも失うことがあるんですね。

インプラント治療後で、最も重要なことは定期的に専門的なメンテナンスを受けていくことです。 少なくとも6ヶ月に一度は、検診をうけてください。軽度のインプラント周囲疾患であれば、改善が 比較的容易だからです。大切なことなので繰り返しますが、メンテナンスは必ず受けましょう。

天然歯 歯肉炎 歯周炎
インプラント インプラント周囲粘膜炎 インプラント周囲炎
状態 歯肉(粘膜)に限局した炎症 歯槽骨の破壊を伴う炎症
予後 原因(プラーク)が除去されれば改善する。 初期〜中等度までは原因除去療法で保存可能。重度の炎症に対しては予後不良。

表3 歯周病とインプラント周囲疾患の類似点

VI. インプラント周囲粘膜の治療のはなし

インプラント周囲疾患の予防という観点からみると、インプラントを長持ちさせるには、歯ブラシや歯冠ブラシによるプラークコントロールがとても大切です。

それと、定期的なメンテナンスでしたよね。

そのとおりです。でも一番大切なのは毎日のお手入れです。これは患者さん主導で行う必要があります。 患者さんが適切なブラッシングがしやすいように、お口の中の環境を整えるのが歯科医の仕事になります。

歯磨きしやすい環境とはどんなことでしょうか。

たとえば固定式のインプラント治療の場合、歯冠の形です。お手入れしやすいように、適切な隙間を作ったりします。 また歯肉の状態も歯磨きに影響する場合があります。

歯を失うと周りの骨や歯肉も失ってしまうお話は、以前もしましたが、今回は下顎の奥歯でのケースです。

左の治療前の写真をみると、抜いた歯の周りの歯肉がなくなっています。 その部分には頬粘膜というほっぺの内側の粘膜が入り込んできています。 (図12左)点線の部分が頬粘膜と歯肉の境目になります。

インプラント周囲に角化粘膜を増やしたケース

図12 インプラント周囲に角化粘膜を増やしたケース

歯を失うと同時に、歯の周りの支持組織(骨や歯肉)もなくなります。 インプラント(人工歯根)は歯根の代わりになりますが、 骨や歯肉も増やさなければならない場合もあります.写真(左)は、下顎奥歯(一番奥)へのインプラント治療の術前写真です。 インプラント治療予定部位には、しっかりした歯肉が失われています。 そこで口蓋部(上あごの歯ぐき)より粘膜を採取し、インプラント周囲に移植を行いました。

利点

  • 健康な粘膜が増えたことで審美的、
    機能的にも良好な結果
  • 清掃性がよく、メンテナンスがしやすい

欠点

  • 粘膜を口蓋部から採取する必要がある
    (術後2週間は食べにくい)
歯ぐきの表面の違いがあるというこうですか?

はい。たとえば、上あごの前歯のまわりの歯ぐきに歯ブラシをに当てても、さほど痛くないと思います。 これは歯肉に厚みがあり、表面が硬く(角化)なっているからです。 では、ほっぺの内側に歯ブラシを当ててみてください。頬粘膜は薄く表面もやわらかいのですからチクチクしますよね。これが歯肉と粘膜の違いによるものです。

インプラントの周りが薄い粘膜の場合、歯ブラシを当てにくくなるわけですね。

インプラントの周りの粘膜が薄く動きやすいと、ブラッシングしにくかったり、歯茎が退縮といって減ってしまうこ ともあります。そのために、硬く丈夫な粘膜を増やす治療を行います。 遊離歯肉移植術(Free Ginival Graft)という方法で、上あごの口蓋という部分から 丈夫な粘膜を取り出し、インプラントの周りに移植を行いました。(図12)

歯ぐきの厚みも回復したことで、それに合わせた天然歯に近い形態の上部構造が装着できます。 こうすることで患者さん自身の口腔清掃をしやすくし、インプラント周囲の環境をより安定させることができるようになります。

VII. おわりに

インプラント治療を受けるためには、どのような歯科医院を選べばいいでしょうか。

インプラント治療は、治療後も定期的なメンテナンスを行うことで、よりよい状態を保っていきます。 患者さんとは長いお付き合いになりますので、できれば通いやすく、ご自身と相性のよい医院で治療を 受けて頂くのがよいと思います。

しかしながら、治療が難しい場合もあると思います。 インプラントはここ数年で大きく進歩している分野の一つ ですから、より多くの選択をして頂くためにインプラント専門医へご相談していただければと思います。 当院でも、より多くの患者さんにインプラント治療で生活の質を向上して頂けるよう、お手伝いしていきます。

インプラント治療ができない場合はありますか。

大きな骨移植が必要な患者さんや、高血圧心臓疾患などのご病気をお持ちの方で 手術によって身体 への影響が考えられる場合は より安全に治療を行うために、大学病院での治療をおすすめする事もあります。

インプラント治療を行う前に、まず歯周病の治療が重要です。 徹底した歯周病治療を行うことで、 インプラント周囲疾患の発症を防ぐことができます。 また、インプラント治療の成功率を左右するものとして、 喫煙と糖尿病が挙げられます。 そのためには禁煙や、糖尿病などの身体のご病気を治す必要があります。 お口の中全体の治療や、生活習慣の改善なども適切なインプラント治療を行うためには大切です。

当院のインプラント治療のコンセプトCONCEPT

当院のインプラント治療のコンセプト

残存天然歯とインプラントの長期的な調和

インプラント治療の進歩とともに、見た目も機能も天然歯と見違えるほどまでになってきました。しかしながら、インプラントと天然歯は似て異なるものです。インプラントには優れた点も多いですが、欠点もあります。これらをよく考慮して治療を行わなければ一つの口腔内で天然歯とインプラントを長期にわたって安定させることができません。

「インプラントは一生もちますか?」というご質問を受けることがあります。残念ながら、一生涯という長い期間を維持できる治療はなかなか実現できません。ヒトの長い寿命を全うできるのは、それだけ人間の体という生体組織が巧妙に出来ているのためです。

生体組織は環境に応じて常に変化し順応しますが、歯科材料で治療した部分は変化できません。そこで生涯にわたって安定した口腔環境を維持するためには、定期的なメンテナンスを行い、最小限の範囲で修正(追加治療)を行っていくことが理想です。そのためには、一時的ではく将来を見据えた治療計画をたてることがとても大切なポイントになります。

診療案内

医療法人社団蒼天会Shiosai Dental clinic 0436-42-4031

千葉県市原市八幡字海岸2381-1ベイシア市原八幡店1F

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